1. プロフィール
名前:ユスティナ・イスクラ(Justyna Iskra)
年齢:18歳
性別:女性
身長:159cm
2. 紹介及び特記事項
25M-RFT82と名付けたVF覚醒者は、現在隔離されています。
彼女の襲撃によって死傷者が出なかったことは、不幸中の幸いですが...
研究施設と設備の被害が大きく、現在修復作業を進めている状況です。
研究棟の警備システムについて、再考する必要がありそうですね。
彼女についてなら、無力化した後の尋問もとても大変でした...
我々のことを悪の組織だの、邪悪な悪党だのと叫んでばかりで
質問できる機会が全くありませんでした。声も大きすぎて、どれほど困ったことか...
彼女の態度からして、情報を得るのは難しいだろうと思っていたのですが、
予想外のことに、特定の研究員には結構協力的な態度を見せていました。
彼女からの話によると、善人と悪人を区別できるらしいですが...あまり信じられない話です。
一応、VFの影響によるものではないかと推測しています。
この部分については、今後の実験で綿密に観察するよう伝えておきます。
彼女が襲撃してきた理由についてですか?
実験体21M-RFT50を探して、ここに来たみたいです。
どうやら、彼が我々にさらわれたと思い込んでいるようです。
おかしくありませんか?彼は自らの意志でここに来たはずですが...
21M-RFT50には何の情報も伝えていませんが...
彼が他に何か隠していることはないか、注意深く観察し、確認する必要がありそうです。
情報員たちからの報告と彼女の話から得た断片的な情報をつなぎ合わせてみると...
彼女の名はユスティナ・イスクラ。6年前、ある病院で発生したのテロ事件による失踪者で、
事件が起こるまで、その病院に長く入院していたようです。
深刻な病気ではなかったものの、もとから体が弱く、事件が起こった後にVFを覚醒し、
その後、「エレボス」に合流したようですね。
前にも言った通り、上からの指示で彼女を実験に参加させることになりましたが...
正直に言いますと、変な騒ぎを起こさないか心配です。我々は、まだ彼らについて十分に把握できていないので。
今回の襲撃といい、これまで集めてきた情報からすると、彼らは我々にとって脅威的な団体であることは確かです。
もし、「エレボス」に彼女のようなVF覚醒者がもっといるとしたら、どんなことが起こるか...
情報員たちを総動員して「エレボス」に関する手がかりを探っていますが、
まるで出口のない迷路のように、何の収穫もありません。
上の方たちは一体、何を考えておられるのか...
―先任研究員 Dr. C
とある静かな田舎。平和で穏やかな風景の中に佇む小さな家が一軒あった。
その地下では、外の風景とは全く異なる、重く冷たい空気が漂っていた。
家の大きさでは想像もつかないほど広い地下空間は、研究室や探偵事務所を思わせる雰囲気だった。
隅に置かれたテーブルの周りには、スーツを着た中年の男と若い女が無言で座っていた。
その姿はまるで社長と秘書のように見えた。
静けさの中、タブレットを見つめていた男がついに口を開いた。
「...アレックス君からの報告によると、彼女はもうすぐ実験に参加するようです」
「はあ...」
女は深いため息をつきながら、額に手を当てた。
「局長、今回の件は...」
局長と呼ばれた女は、明らかに自分よりも年上の男性の言葉を遮った。
「あの子は組織にとって、重要な人材だったわ。今はまだ未熟だけど、才能が開花すれば
重要な任務を託せる存在であることは確かだった。なのに、こうなってしまうなんて...」
「これからどうしますか?」
「どうするって...この状況で、私たちに何ができると思う?」
「...実験に参加した以上、もう手遅れかと...ここはアレックス君とエイデン君に任せるしか...」
「そう、今の状況では、彼らがどうにかしてくれることを祈るしかないわ。
今、私たちが集中すべきことは、他のことよ」
「...」
「今回の件で気にすべき点は、あの子がアグライアのところに行った理由なんかじゃないわ。
あそこまで“どうやって”行ったかよ」
「...ルミア島に関する情報は、私と局長、そして今島にいる者以外...誰も知らないはずです」
「そう。つまり、あの子にエイデンに関する情報とその位置を教えられる者は
私か、あんた、もしくは...」
「何かしらの裏工作があった、ということですか?」
「...その可能性が高いわ」
「信じがたい話です...身分確認やセキュリティに問題はなかったはずです」
「向こうで何か他の手を使った可能性は?」
「...当分の間は忙しくなりそうですね。今すぐ調査を始めます」
「は...!調査してバレるくらいなら、最初からやるつもりもなかったでしょうね」
「では...」
「この件は、私が直接調べる必要がありそうだわ」