1. プロフィール
名前:ニア・ヘラー(Nia Heller)
* 「NiaH」で活動
年齢:19歳
性別:女性
身長:148cm
2. 紹介及び特記事項
彼女との面談は、容易に進められたとは言い切れませんが、
心理的観点から見ると、とても興味深い実験体です。
継続的なストレスと深刻な精神的ショックによるVFの覚醒...
よくあるケースではありますが、それによって崩れた彼女の精神は
とても不安定で特異な状態にあります。
分かりますか?彼女、一見問題なさそうに見えますが...
実はいつ崩れてもおかしくないヒビの入ったガラスのような状態なんですよ。
現実と空想の境界線が薄れていて、白昼夢の中にいる状態と言えますね。
特にVF能力を使う時は、その傾向が更にひどくなります。
恐らく彼女は、自分が現実世界でVF能力を使用しているという自覚すらないでしょう。
コントローラーのボタンを押したり、ジョイスティックを動かしていると思っているはずです。
まるで、ゲームをしているかのように...
だからか、彼女のVF能力はゲームの中で出てきそうなものを見せています。
今の彼女は、自分が一番好きなゲームを通じて他人と交流しようとしています。
表面的には、他人とのつながりを求めているように見えますが...
その裏には、罪悪感による現実逃避と、他人との交流に対する恐怖が隠されているんです。
それ故、他の人を実際の「人間」ではなく、「ゲームのキャラクター」だと認識しているようです。
この実験で自分が何をしたか気付いた時、どんな反応を見せてくれるのか...
とても楽しみですね。
―心理科学専門研究員 Dr.H
3. 活動記録
「まさか、あの『NiaH』が実験体になるなんて...」
「ん?お前、その子が誰なのか知ってるのか?」
「何年か前に、突然現れた有名なゲーマーですよ!
ジャンルを問わず、数々のゲームでランキング1位に名を刻んだ天才ゲーマー!」
「ほお...よく知ってるな。プロゲーマーか?」
「いいえ。いくつかのプロチームから声をかけられたようですが、
個人的な理由でプロデビューはしなかったみたいです」
「個人的な理由?」
「確か、表向きは健康問題って聞きましたが、他に理由があるという噂もあります。
どれが本当なのかは、本人に聞けば分かるでしょうけど...」
「まあ...今はもうどうでもいい話だからな」
―アグライア末端研究員たちの会話
ニア?ああ、よく知ってるさ。うちの常連だったからな。
昔からよくうちの店に遊びに来てたぞ。そう...サリーって子と一緒にな...
ニア、あの子はいい子だが、口下手でな。
うちの店でも誤解されることがよくあったんだが、
サリーがいてくれたおかげで大ごとにはならなかったよ。
二人の関係についてか?そうだな...ただの友だちというよりは、親友だったんじゃないか?
あの二人は小さかった頃から一緒にゲーム機の前で目を輝かせながら、
「次は何で遊ぼう?」「このゲームはどうかな?」「あれはどうかな?」とか言ってよく遊んでたよ。
印象的だったのは、あの二人、ゲームが好きってこと以外は全く違う性格でね。
サリーって子は、ニアとは全然違ってすごく明るくて人懐っこい子だったんだよ。
ゲームの実力はニアに及ばなかったけど、それはまあ、ニアが特別だったから仕方ない。
性格が違っていたからこそ、仲良しだったんじゃないかな...
お互いに憧れを抱いているというか、互いに足りない部分を補い合ってたと言うか...
まあ、喧嘩したこともあったが、それくらいは友だち同士よくあることだからな。
とにかく、仲良しでいい子たちだったよ。あのことさえなければな...
ニアも、大切な友だちをそんなふうに失うとは思ってもいなかっただろう。
まだ子供だと言うのに、悲しいことた...
聞いた話によると、ニアは今、どっかの病院で休養しているらしいが…
今度、最新のゲームを持ってお見舞いにでも行ってみるか...
- 某ゲームショップの店長インタビュー